2024.09.05更新日

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医学部受験の数学勉強方法を解説

医学部のある大学は、大学全体の中で1割くらいしかなく、受験生の人気も高いため競争率が非常に高く、他の学部と比べかなり狭い門を通らないと合格できません。国公立医学部の受験は基本的に共通テストでかなりの高得点を取る必要があり、全ての受験科目をまんべんなく勉強しないと合格が厳しいのが現状です。その受験科目の中でも特に数学の重要性は高いです。高得点を取る勉強に時間がかかったり、配点が高いなど、実際に数学に悩みを抱えている医学部受験生も少なくはないでしょう。そこで、医学部受験における数学の重要性や、どのようにして効果的に勉強をしていったら良いかを把握しておくことが、合格の大きな一歩となります。

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1.医学部受験における数学

少なくとも国公立大学における医学部受験は、概ね共通テストと2次試験があり、受験科目が多いです。大学によっては不得意科目を避けることもできますが、医学部受験において数学は避けては通れないでしょう。というのも、国公立医学部受験において数学は受験必須科目だからです。しかも、2次試験では数学Ⅲが含まれます。特に有名大学の2次試験の数学は個性的で、大学ごとの対策をしっかりしていないと点数が取れない傾向にあります。

このように、医学部受験では数学の重要性が高く、その点数が合否を分ける大きなポイントとなっています。加えて、数学の偏差値を上げようと努力してもすぐには伸びにくいことも厄介な点です。文系科目は暗記系の問題も多いため、勉強の時間と比例して偏差値が上がる傾向が見られます。しかし医学部入試の数学は一つの知識だけで点数を取ることはできず、数学的な思考や総合的な知識が求められるため、点数という形で明確に努力の成果を見るのが難しいのです。それだけに効果的な勉強法を知り、効果的に時間をかけて対策をしていくことが必要な科目と言えます。

もう一つ覚えておきたいのは、2次試験対策を志望大学に合わせる重要性が高いという点です。有名国立大学では大問形式で毎年複雑でかなり高度な数学の問題を出題します。出題内容には傾向があり、思考力を求める問題や計算力を求める問題など大学ごとに独特の色があります。ですので、基礎的な数学力だけではなく、大学が求める思考法を身に着けるための特化型学習が求められます。そのため、どの大学にも対応できる共通テスト向けの数学の勉強に加えて、特化型学習もしなければならないので、早めに志望大学を決めることが重要なのです。

こうした効果的な学習を実践すれば、医学部の合格率をぐっと高まります。というのも、数学は他の教科に比べて他の受験生と点数差が出る傾向が強いからです。数学は大問5題程度の問題数となることが多く、1問当たりの配点が大きいです。それだけに、手も出ないような問題に当たってしまうと、一気に点数を落としてしまいます。

一方で、完答できなくても、部分点を取れる教科であることは大きなメリットといえます。しっかりと対策を講じていれば部分点で稼ぐことができます。自分の考えを記述できれば満点は取れなくとも、合格ラインの点数へ一歩近づくでしょう。数学は「知識の有無」が点数を決める教科ではなく、本人の考える力やたくさんの問題を解いてきた経験を活かしやすい教科なのです。

2.医学部受験数学 合格までのフローチャート

2-1.勉強計画を立てよう

医学部受験全般に言えることですが、まずは計画を立てることが最重要です。現役生の場合、学校の授業の進度の違いがあるため細かい計画を立てるのが難しいと思います。そのため、学校のカリキュラムを元に、学校の先生や予備校の講師と相談しながら計画を立てましょう。

浪人生の場合は、半年以内に10月までに数学の基礎を全て完璧にするつもりで学習しましょう。10月からは共通テストや二次試験の対策に入るため、基礎知識の確認をする時間がありません。そのため、10月までに数学の基礎的な知識を必ず完璧にさせる必要があります。それでは基礎知識はどのようにして完璧にすればいいのかを確認しましょう。

2-2. 基礎問題を完璧にする

共通テスト、大学の二次試験そのどちらでも重要になるのは基礎知識です。そのため、いきなり過去問題をこなしていくといった対策をするのではなく、まずは基礎の勉強を徹底しましょう。まずは、予備校の講座資料や参考書などなんでもいいので基礎問題が網羅的に乗っている参考書を使いましょう。そこで公式や数学の解答の流れを完全に覚えておきます。この段階で大切なことは問題に間違えないことではなく、数学のルールを理解することです。数学を分野別にみると、単元ごとの考え方は共通していて使う公式も限定されています。その共通した考え方を完璧に定着させましょう。

2次試験は複雑な問題が出されることもありますが、やはり基本となる公式を組み合わせによってできています。基本がしっかりとしていれば、どんな問題でも対応できますので、まずは基礎を固めるようにしましょう。

2-3. ジャンルごとに問題に挑戦しよう

まずはどのくらい実力が付いたかを試すために、過去問を5年分解きましょう。そして、ジャンルごとに採点して基礎問題の学習だけでは回答できなかった問題を洗い出します。その問題の解答を確認して基礎的な公式が思いつかなかったら思いつくまで復習します。この一連の流れを繰り返しましょう。

次の課題は、ジャンルの問題を解いていく中で自分にとっての苦手な分野が見つけることです。試験問題は大問が5個程度しかなく配点が大きくなっています。そのため、苦手な分野から出題されると、それだけで合格を逃す可能性があります。苦手な分野で大惨事を引き起こさないためにも、受験当日までには苦手分野をなくすことが最重要事項です。

そのために重要なことは「苦手分野を分析すること」です。単に過去問題をたくさん解いていくのではなく、ある程度解いた問題数が溜ってきたら、その分析をしてみましょう。ジャンルごとに問題を分けて、どのジャンルがどのくらい解けているかを比較していきます。すると、自分ではあまり難しくは感じていない分野の得点が低いことや、満点がなかなかとれない分野があることに気づくはずです。もしくは、全く分からない問題と確実に解ける問題との落差が大きい分野も見つかるかもしれません。自分の感覚だけに頼るのではなく、こうした客観的な分析をして得点につながる課題を洗い出しましょう。

苦手ジャンルが分かったら、そこを徹底的に攻略します。多くの場合、関係する公式などは分かっているものの、それをどう応用して問題を解いたら良いのかが分かっていないものです。そこで、問題のパターンの読み取りができているかをチェックしつつ、まずはどの公式を使って解くのか方針を立てられるように訓練をします。その上で、公式から求めた答えで大問の答えにたどり着くことができるかを実際に試していきます。こうして単に問題を解くのではなく、どこまで自分ができていて、どこが理解できないのかを把握して、順序立てて問題を解く習慣を付けます。こうすることで、複雑そうに見える問題もすっきりと整理して考えられるようになるのです。こうした取り組みが、数学的思考を育てる「医学部受験のための基本的な対策方法」となります。

2-4. 志望校の二次試験対策をしよう

しかし、合格のためには更なる二次試験対策が必要です。まずは自分の志望する大学の出題傾向をしっかりとリサーチすることが重要です。出題傾向を分析する際には自分で過去問をひたすら比較してみることも大切ですが、予備校や塾の講師、高校の教師に教えてもらうことも重要です。

過去問を分析する中で、解けなければならない問題かそうでない問題なのかを自分で判断することが難しい場合があります。難関大学の2次試験の数学は、一般の受験生では絶対に完答は無理という問題を出すケースもあります。こうした大学では、正解を求めるのではなくどの程度まで解答に近づけるのかという考え方や、発想の柔軟さを試しています。出題されている問題が完答することを求めている問題なのか、部分点をもぎ取ることを求めている問題なのかを入試本番までには判断できるように対策を講じましょう。

3.まとめ

医学部受験において数学は、配点が大きいことや勉強をして成果が出るまでに時間がかかることなどから、とても重要度の高い教科です。そのため、できるだけ早く志望大学の問題傾向と自分の苦手分野を知り、スケジュールに沿って対策を進めていきましょう。

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