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コスパ重視!医学部小論文を攻略するには?
ほとんどの医学部入試では小論文が課されることは皆さんよく知っていると思います。ところが医学部受験生の多くは、小論文には事前知識がないと対応できない問題が出題されることを知らないようです。そこで今回は、医学部受験の小論文について出題形式や頻出テーマなど、小論文対策のポイントを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
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1.小論文のテーマと出題形式
そもそも大学入試で小論文を課す大きな理由としては、英語や数学といった一般的な学科試験では評価できない部分を評価するためです。医学部の場合、医師の資質があるかどうかを判断するために小論文や面接が課されます。実際、出題されるテーマにも医師の資質を確かめるような特徴があるので頻出テーマや出題形式を確認しましょう。
1-1.小論文の頻出テーマ
医学部入試の小論文でよく出題される頻出テーマは、「医師としての対人コミュニケーショ」「先端医療」「医師不足」の大きく3つに分けられます。
1-1-1.医師としての対人コミュニケーション
医師は医療行為を行うことを主に任されていますが、医療行為を円滑に行うためには入念な問診が必要なのです。また、正しく問診が行われるために医師は患者や医療関係者の声に耳を傾ける「傾聴」や、痛みや不安を聞くための共感といったコミュニケーションをとる意識も大切なのです。つまり、医師を目指す者にとって患者と意思疎通をする志は欠かせないのです。
そこで医学部の受験生には「医師としてふさわしい人格」を確認するような問題を出題します。解答は自分の思い描く理想を記述するのではなく、インフォームドコンセントやターミナルケア(終末期医療)、介護問題などある程度の医療的常識を踏まえて記述することが大切ですので注意して学習しましょう。
1-1-2.先端医療
医療技術や医療設備は日進月歩で発展しています。この先も大きく変化することが確実な分野です。したがって、医師を目指す以上、先端医療技術について早いうちから深い関心を持っていることが求められます。
具体的には、遺伝子検査やゲノム編集といった生命倫理を扱ったテーマ、再生医療のテーマなどが最近の出題傾向です。知識がないと対応できないため、一般的な新聞のコラムや医学会新聞など、医師の意見や考えが掲載されている媒体を参考に医師に必要な倫理観を身につけましょう。
1-1-3.医師不足の問題
地方の医師不足が加速する現在において医学部入試でも、なぜ医師不足が起こるのか、どのように改善できるのかを問われます。試験対策としては、少子高齢化や女性医師が働き続けられる労働環境の整備、医師の偏在など様々な角度からの解答方法が思いつくまで基礎知識を付けることが大切になります。
また、医師不足の問題は小論文だけでなく、面接やグループ討論でも質問される頻出テーマです。事前の対策無しでその場の思いつきでは通用しませんので、十分な準備をしましょう。
1-2. 小論文の出題形式
医学部入試の小論文を見ると、だいたい決まった出題形式であることがわかります。「課題文を読んで要約し対処方法を解答する問題」「短いテーマについての見解を述べる問題」「表やグラフなどの資料について分析し考察する問題」と出題形式は大きく分けて3つです。また、これら3つの形式を組み合わせた出題もあります。
国公立大学では、「課題文を読んで要約し対処方法を解答する問題」が多く見られます。文章量が多いのが特徴で、日本語だけでなく、英語の長文を読ませて、それについて書かせる大学もあります。
私立大学では、「短いテーマについての見解を述べる問題」が多いです。問題となっているテーマについて思ったことを書くなど、時事ネタを取り扱う場合が多いです。
また、国公立大学でも私立大学でもよく見られる問題形式として、「表やグラフなどの資料について分析し考察する問題」があります。特に私立大学では大学ごとの特色が大きく表れる形式で、表やグラフだけでなく、写真や映像などを資料として提示する大学も少なくありません。
いずれにせよ、小論文の形式は大学ごとにかなり大きな違いがあります。受験する大学が決まったら、なるべく早い段階で出題形式をチェックしておきましょう。
2.小論文対策はいつから始めればいいの?
2-1.小論作成は短期集中
医学部入試の小論文は短期集中で時間をかけないことをおすすめします。集中をする期間は夏ごろに2週間、一次試験合格後の2週間の二部に分けて学習しましょう。
短期集中をおすすめする理由は、一次試験対策を最優先した方がいいからです。そもそも小論文は二次試験で行われることが多いので一次試験に合格しなければ小論文を書くこともありません。また一次試験合格後は、二次試験までしばらく期間があります。安心して一次試験対策に励みましょう。
2-2.添削は第三者にまかせよう!
小論文の作成が完了したら必ず講師や学校の先生に添削してもらいましょう。小論文の添削を一人で行うと、新しい書き方を学ぶことができないことはもちろん、評価も曖昧になりだけでなく、添削にとても時間がかかってしまいます。ですから、文章を作成した後は出題テーマの確認することだけを優先し添削終了後に講師や先生からコメントをもらって学習しましょう。
文章の作成・添削には時間をかけないよう心がけ一次試験対策を優先しましょう。
2-3.実は、時事ネタ・頻出テーマ学習が一番重要⁉
小論文対策は短期集中と説明しましたが、「時事ネタ・頻出テーマを普段から確認する」ことが実は一番重要です。「新型感染症」「貧困」「戦争」といった多くの人間に被害を与える時事ネタや、「セカンドオピニオン」「先進技術」といった医療的に重要視されるようになった頻出テーマなどは志望校を何校か受験する中で必ず目にします。テーマを知らないと小論文作成ができなくなる場合もある必ず学習しましょう。目安としては、月に1回2時間程度の時間をかけて学習することをおすすめします。
3.小論文の書き方
3-1. 小論文は三部構成!
次に、小論文の書き方についての基本的なルールや構成をチェックしておきましょう。小論文は、序論、本論、結論の3部構成で書くのが一般的です。それ以外の構成で書いても間違いではないですが、それで論旨のしっかりした説得力のある文章を書くにはかなりの文章力が求められます。よほど自信があるのでない限り、序論、本論、結論の3部構成を選ぶのが無難でしょう。
序論では、最初に結論を提示します。長々と書く必要はなく、割合としては全体の1割~2割程度です。最初に結論を提示して、次の本論でなぜそういう結論に至ったのかを展開していきます。
本論は最も高い割合を占める部分です。全体の7~8割が本論になると考えてください。それだけの分量を埋めるには、最初に提示した結論について、なぜそうなるのか説得力のある理由や根拠をいくつか示しながら、主張を展開していく必要があります。資料を与えられるタイプの問題では、分析とそれに対する意見や解決策などを書きます。
結論では、序論で示した結論をふたたび展開して簡潔にまとめます。ここも序論と同じく、長々と書く必要はなく、この小論で最も言いたいポイントを再提示する程度でかまいません。分量としては1~2割程度です。
3-2. 文字数 禁忌のネタには要注意!
文章を書くうえでの基本的なルールについても、ここで少し確認しておきましょう。
まずは、文字数が指定されている場合、必ず文字数を守りましょう。「○文字で論じなさい」という設問の場合は過不足を1割以内に収めましょう。文章作成練習する中で300文字はどのくらい記述できるのか、1000文字はどのくらい記述できるのかと、文字数の感覚を身に着けることが大切です。
なお、医学部入試の小論文では、単に文章力や論理構成力だけでなく、医師としてふさわしい資質を備えているかどうかを見られることも忘れないでください。小論文としてはたとえ文句のない出来でも、優生思想など差別につながる見解や人命軽視と取られなかねない意見を書くのはNGです。
医学部の小論文のポイントを押さえるうえで役に立ちそうな問題集・参考書はいくつかあります。医学部小論文の頻出テーマがたくさん記載されていること、解説があり禁忌の解答の例が記載されていることを中心に参考書を選びましょう。
4.まとめ
医学部受験において、小論文は後回しにされることが多い科目です。しかし、多くの大学で出題されるうえ、付け焼き刃では通用しない科目ですので、普段から時事ネタの収集や頻出テーマの確認などの対策をしておきましょう。なお、医学部入試では小論文だけでなく。面接もあります。小論文対策はそのまま面接対策にもつながりますので、その意味でもやはりしっかり時間をかけて対策すべき科目です。医学部受験では限られた時間で多くの科目に取り組まなければなりませんが、ぜひ本記事を参考に効率よく小論文の学習を進めてください。
(2024年8月現在)
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