2023.03.15更新日

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医学部再受験から合格を目指すには?

大学入試のなかでも、医学部入試は最難関です。そのため、医学部合格を諦めてしまう受験生も少なくありません。ところが、いったん別の進路を選んだものの、医師になる夢をあきらめきれず、医学部受験に再挑戦する人は少なくありません。また、医学部志望でなかった人の中にも、さまざまなきっかけで医師への志が大きくなり、医学部再受験を目指すという人もいます。

実際に医学部を再受験する人は少なくありません。しかし、再受験生の合格は厳しいと言われることもあります。そこで今回、再受験生の合格の現状からどんな大学を選べばよいのか、また、どのように勉強していけばよいのでしょうかをご紹介します。

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1. 医学部再受験とは? 

一般的には、受験失敗後も別の進路を選ばず、そのまま次の受験のために勉強を続ける「浪人生」に対し、「再受験生」はいったん別の進路に進んだ人のことを指す場合が多いです。大学の他学部に進学したものの、医学部再受験を目指すという人もいれば、大学を卒業して社会人として経験を経た後、医学に興味を持ち医学部合格を目指す人もいます。

また、一般入試においては浪人生と再受験生はほとんど同様に扱われ、取得した資格を除いては大きく評価が変わることはありません。

2.再受験の方法

医学部再受験では、一般入試、AO入試、編入試験の3つの選択肢が用意されています。自分の選択肢を広げるためにもそれぞれ確認しましょう。

一般入試は、現役の高校生や浪人生たちと同じ方法です。国公立大学の医学部を目指すのであれば、大学入学共通テストを受けたうえで、大学の実施する二次試験を受けるという流れになります。

AO入試も再受験生が受験できる入試制度の一つです。受験できる大学は限られていますが、たとえば、金沢医科大学では25歳以下の人にAO試験の受験資格が与えられるため、大学を卒業してからでも受験可能です。AO入試も狭き門ではありますが、入学後の条件があり一般入試と比べると合格しやすい場合もあります。

学士編入試験とは、2年次や3年次などから学士編入学する方法です。在籍していた大学で単位を取得している場合、それを利用して、2~3年生からスタートできます。医学部生として6年も過ごす時間がないという方におすすめですが、編入試験は一般入試以上にハードルが高くなるので十分な対策が必要だということが分かります。

医学部への編入試験の一例として、新潟大学医学部の2017年度の編入試験で見てみましょう。この年は、地域枠2人を含む、合計15人の学士編入者が募集されました。基礎資格として、所定の授業科目41単位を取得済みであることが求められます。また、TOEICの受験経験も要件です。選抜方法は自然科学系と生命科学系の学科試験と、TOEICのスコアによる一次試験を経て、二次試験では面接が行われました。しかし2021年を最後に新潟大学では学士編入制度を停止しており、編入制度は中止される場合があるということも分かります。

編入試験の内容は大学によって異なりますが、すべての大学で学科試験と面接があります。医学部への編入ですので学科試験には生化学や分子生物学の内容が含まれることが多いのも特徴です。

また、編入試験のほうが一般入試よりもハードルが高いと言われるのは、特定科目の取得単位数が定められていることや、TOEICなどの資格取得が必須であることなど、受験するための条件が厳しいことが一因です。そして募集人数が少ないことも合格を難しくさせています。大学によっては合格倍率が40倍を上回ることもあります。

加えて、ライバルのレベルが高く、一般入試と違って、旧帝大レベルの歯学部や薬学部など、理系学部卒の人たちが受験することが多いため、ハイレベルな争いになることは間違いありません。

これらの理由から、編入試験の受験条件を満たしている場合でも編入試験の専願ではなく、一般入試と併願することが医学部合格において大切と言えるでしょう。

3.再受験生が気を付けること

3-1. 合格者の割合を確認しよう

大学によって、再受験生が入りやすい大学、入りにくい大学があると言われています。大学側がそういう方針をはっきり打ち出しているわけではありませんが、過去の合格者数や、実際に現役生や一浪生に加点されていたことが告発されたこと事実を加味すると、年齢が合否関係することは否定できないでしょう。

まず再受験生が入りやすい大学は22歳以上の合格率が10%以上の大学が多く、国公立大学では、九州大学、熊本大学、長崎大学、琉球大学といった九州・沖縄地方の大学を始め、山形大学、信州大学、富山大学、福井大学、島根大学や滋賀医科大学など、地方の大学に多い傾向です。特に最後に挙げた滋賀医科大学は合格者全体に占める再受験生の割合が20%以上にも上ります。「国公立大学医学部なら、特定の大学にこだわらない」という再受験生はこのような情報も有効に利用することも大切です。

私立大学でも、国公立大学と同じく、再受験生が入りやすい大学と入りにくい大学があると言われています。川崎医科大学、久留米大学、東北医科薬科大学などは再受験生に寛容な大学と言われる傾向にあります。特に川崎医科大学では、受験生の大半が現役生ではないため、現役生との激しい競争がない分、再受験生でも合格しやすいと言えるでしょう。

しかし、国立医学部、私立医学部どちらにも再受験生が合格しにくくなっている大学は存在します。志望する大学の合格者の割合を確認して、再受験生にも優しい大学なのかを念入りに調べることが受験を楽に攻略するカギになります。

3-2. 面接対策も念入りに

医学部再受験において、もう一つ注意しておかなければならないポイントがあります。それは面接試験です。もちろん現役生も面接対策は必要ですが、再受験者の場合、なぜ今になって医学を志すのか動機を尋ねられることは多いでしょう。

社会人としての経験がある人ならそこで何を学んだのか、再受験に対して家族などの周囲の人たちの理解は得られているのかなど、尋ねられる質問は現役生とは変わるでしょう。現役生以上にさまざまな切り口で質問されると予想されるので、どのような質問にも対応できるように意見をまとめておきましょう。

4.勉強方法は?

冒頭でも述べたように、医学部合格の難易度は非常に高いです。その狭き門をくぐり抜けて、見事再受験で合格を勝ち取る人も一定数いますが、そのような人たちはもともと難関大学の出身が多く、受験以前にそれなりの地力があると言えます。また、学習範囲も以前とは変わっていますので、ブランクが長い人ほど受験勉強は不利になるでしょう。

そのような状況において、ゼロから医学部再受験を目指すのであれば、人の何倍もの努力を続ける力が求められます。1年の準備では合格レベルに達しないこともあり得ることです。それでもあきらめず、2年、3年と頑張り続けるほど合格に近づくことができるので。実際、医学部再受験を志しても受験勉強の過程で意欲を失って脱落してしまう人が少なくありません。

そこで、具体的な勉強方法以外にも医学部再受験を目指すためには、生活のすべてを受験勉強に費やす環境づくりが求められます。そのうえで、基礎学力に不安がある人は、徹底した基礎の復習から勉強することが大切です。もちろん基礎力にそれなりに自信を持っている人も、基礎の見直しをおろそかにできません。

個々の科目の具体的な勉強方法は人によって相性もあります。しかし、再受験で失敗する人の多くは、独学でなんとかしようとする人に多いです。自分の勉強方法が正しくても自分のモチベーションを維持するのは難しいこともあります。ですから、可能な限り予備校に通うことでモチベーションを維持しながら勉強に集中することができます。またモチベーション維持以外にも予備校では、大学ごとの対策や資料集めなど、5教科の勉強以外に割く時間を節約するときに役立ちます。

そして特に医学部再受験では、医学部専門予備校をおすすめします。それは現役生が多くを占める大手予備校の場合、医学部受験のサポートが万全でない可能性があるからです。医学部専門予備校なら、先生の質、生徒の質、予備校が出す資料の質が担保されています。そして、医学部専門予備校は少数の場合が多いため、大手予備校よりも丁寧に指導できることも大きなメリットです。短時間で質のいい勉強をしたいという方は、環境の整っている医学部専門予備校を検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

再受験だからと言って受験で差別されることがあってはなりません。しかし、再受験での合格は非常にハードルが高いのが現状です。そんな中、合格を勝ち取るためには大学の情報を知ること、勉強の環境を整えることが最善策です。ぜひこの記事を参考に受験を突破してください。

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