選考で面接なしの医学部があるのか?面接が重視される理由も解説
医師になるためには医師免許を取得することが条件ですが、そのためには大学の医学部への進学が必要となります。医学部への進学は倍率がかなり高く、ハイレベルな学力が求められることはもちろんですが、その他にも面接や小論文などの対策を立てて置く必要もあります。
とりわけ近年では面接に重点を置く大学もあり、医学部に進学するためには避けて通れない道になっています。医学部への進学において、面接が重視されることには理由があります。
そこで今回、なぜ医学部に面接が必要なのか、面接ではどんなことに気を付ければ良いのかを解説します。参考にしてください。
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1.面接なしの医学部はあるの?
以前は、面接なしの医学部が存在していました。つまり、医学部へ進学するために必要なのは筆記試験だけで、筆記試験の点数が合格点に達していれば進学することが可能だったわけです。しかし、2024年現在、すべての国公立大学ならびに私立大学の医学部で、面接のない入試を行っている大学はありません。
2021年は新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行していたため、感染症対策として面接試験を中止していた大学がいくつかありました。しかし、あくまでそれは一時的な措置であり、現在は感染症対策が進み、規制が緩和されてきていることを考慮に入れると、今後も面接試験が中止になることは恐らくないと考えられます。
つまり、医学部へ進学を考えている受験生は、面接なしで入試をパスすることはできないということです。本記事では具体的な対策方法をご紹介するので、ぜひ参考にして医学部合格を目指しましょう。
2.なぜ医学部受験において面接が重視されるのか?
2-1.医師への志望動機の確認
医学部受験において面接が重視される大きな理由の一つは、「本当に受験生が医師になりたいかどうかを確認するため」です。
そもそも医学部を受験する受験生の中には、心から医師になりたいと思っていない生徒も少なくありません。実際に、両親の勧めで進学を決める人や、理系科目が得意だから最難関の医学部を受験しようと考える学生も少なくないのです。もちろん、どのような動機や気持ちを抱いて受験するかは個人の自由です。しかし、医学部は医師を育成するための学部であり、一人でも多くの優秀な医師を育てて世に送り出すことを目的としています。そのため、医学部側としては「本当に医師になりたいと思っている受験生」に入学してほしいと願っているのです。
特に、他の学部と比べて医学部では入学後の勉強も必要とされ、難しい課題やテストもたくさんあります。そのため、医師になるという強い意思が無ければ、勉強に対する情熱が薄れてしまい、留年や中退へ繋がってしまいます。
立派な医師になるためには6年間の医学生としての学校生活に加えて、2年間の研修医、医師になってからも勉強の日々と学び続けなければなりません。他の多くの学部の場合、4年間の学校生活を終えて就職します。会社で学ぶことは多くありますが、医学生のような勉強は必要なくなることがほとんどでしょう。そのため、医学部へ進学する際に医師になりたいという強い志を持っていることが大切になります。
ですから、医学部での面接試験では、どんな医師になりたいのか、医師になりたいと思う理由などの基本的な質問や、どのくらい医師になることを熱望しているのかを測るような質問をされることが多くあります。例えば、「理想とする医師は?」や、「医師になったらどんな研究を行いたいか」といったような質問をされます。
2-2.人間性やコミュニケーション能力をみている
もう一つ、医学部で面接が重要視される理由に、「コミュニケーションスキルを確認する」という目的があります。医師は患者と接する際にコミュケーションを取る必要があります。医師は決してサービス業ではありませんが、患者の声を踏まえて治療方針を決める以上ある程度のコミュニケーションは欠かせません。そのため、一方的に押し付ける医師は、当然のことながら効果的な治療もできず、評価も低くなります。最近では病院を探す際に、患者の口コミも簡単に閲覧できるようになっているため、患者とのコミュニケーションを重要視している医療機関も多くあります。そのため、医学部で医療について学ぶ前から、医師を目指す人はある程度コミュニケーションを取れることが求められます。
また、現代の医療ではチーム医療が求められます。医療現場にはそれぞれ担当の部署や業務があり、円滑に引継ぎや連絡など行うためのコミュニケーションが求められます。診察は医師が行いますが、現場をサポートするのは看護師ですし、各種薬を処方するのは薬剤師です。また、チーム医療は患者とその家族も含めたチームであるため、治療に協力してもらうために、難しい医学用語を使わず分かりやすく説明できることも必要です。
そして、面接ではコミュニケーションとともに「医師としての人格」も確認されます。たとえ会話を円滑に進められる人でも、「相手を思いやる人間性を持っているのか」「考え方が曲がっていないか」など医師として患者を診ることができなければなりません。
面接の具体的な対策としては、「コミュニケーションスキルの確認」では、質問に正確に答えることができているか、スムーズにやり取りができるかといった点を注視しましょう。「人格や倫理観の確認」については、例えば「安楽死についてどう思うのか」、また、その理由を尋ねられることがあります。こうした正解が様々なトピックスは、受験生の質問への答えにその人の本質が表れるため、面接などでよく用いられます。
3.医学部受験における面接のポイント
3-1.最低限面接のマナーは守る
面接試験で重視されるのはもちろん内容ですが、基本的なマナーを守ることも同じくらい大切なことと言えます。では、入試における面接で守るべきマナーにはどんなことがあるのでしょうか。
1つ目は、服装です。服装については、学生は制服、学生以外はスーツが無難でしょう。また、清潔さも重要です。きちんとアイロンをかけてしわが無いようにしておくこと、目立つ汚れが無いかもきちんと確認しましょう。服装や髪型以外に、持ち物や靴にも注意が必要です。無難なのは黒系の靴や鞄ですが、これもまた清潔さが大切になります。
2つ目は、面接時のマナーです。入室前に名前を呼ばれたら、ハッキリと大きな声で返事をしましょう。入室する時にはドアを3回ノックして、中に入るよう指示があってから入室します。
面接官から座るよう指示があってから、着席します。浅く腰掛け、背筋をピンと伸ばすように座ります。面接中は試験官の目を見て、ハキハキと元気に話すようにします。退出時にはきちんとお礼を述べてから立ち上がり、ドアから出る前にはもう一度面接官のほうを振り返って、一礼して「ありがとうございました」と述べましょう。
これら2つは面接における基本的なマナーですが、軽視してはいけません。頭ではわかっていることでも、いざ本番になると緊張して上手くできないこともあります。反復練習でしっかりと身に着けましょう。自分では気づきにくい癖や欠点があるかもしれません。面接の練習をする時には、親や友人、学校の先生などに協力してもらい、第三者からの視点とアドバイスも積極的に取り入れることで改善していくことも大切です。ぜひ参考にしてください。
3-2.志望大学に関する情報を確認する
就職の際の面接では、「弊社を志望する動機は何か」という質問をよくされます。これは、志望する会社についてどのくらいのことを知っているのか、その会社で働く意思や意欲がどれほどあるのかを確認するためです。大学入試の面接でも同様のことが要求されます。大学側は入学後に大学で活躍する生徒を求めています。ですから、自分が大学の施設を利用してどのように活躍できるのかをあらかじめ調査しておくことが大切になります。
当然のことですが、同じ医学部でも学校によって特徴は異なります。そこで、志望大学の特色を踏まえ、合格したらどんな勉強がしたいか、将来どんなふうにしていきたいか、特に学校のスタイルや校風に合わせて答えることができるようにしておくと良いでしょう。「この大学でなければいけない理由」など、学校への熱い思いが伝わるよう、具体的かつ明確に答えられるようにしておくことが大切です。
3-3.医学部の面接対策本で頻出ネタの確認
医学部の面接では、「ターミナルケア」「出生前診断」「脳死と植物状態」など、一般的には耳にしにくい話題を考えさせられることがあります。このような問題に直面したときに事前知識がないと解答することはかなり難しくなってしまいます。また、事前知識がなくとも答えることが可能な問題でも、医療従事者として考えなくてもスラスラ答えることが好ましい問題もあります。
この対策のために新聞やニュースで時事ネタを集めることはもちろん大切ですが、面接対策の参考書で知識の確認をすることで時短できるためおすすめです。受験科目の多い医学部では効率よく学習することが重要になりますので、本屋さんに足を運び自分に合った参考書を探しましょう。
まとめ
現在、面接なしで入学できる医学部はありません。かつては面接なしで入学できる医学部がいくつかありましたが、今では全ての国公立大学、私立大学で医学部入試には必ず面接が含まれます。それほどに、現在の医学部入試では面接が重要視されているとも言えます。
そのため、医学部合格のためには本記事で紹介した面接が必要とされるようになった理由、面接対策のポイントを参考に十分な対策をすることが大切です。
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