2023.04.19更新日

全学年

医学部の浪人率ってどのぐらい?

浪人率とは、全合格者のうち浪人生が何割占めているかを表した数字です。一般的に医学部は他学部に比べて浪人率が高いと言われます。では、私立医大や国立医大で浪人率はどれくらいでしょうか。また、多浪も珍しくないと言われるなかで、医学部に合格を果たすには何が必要なのでしょうか。

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1.私立医大の浪人率は?

文部科学省の公開データによると、医学部全体では現役生が3分の1、浪人生が3分の2程度となっています。これだけでも他学部と比べると、医学部の浪人率が高いと言われるのが事実だとわかるでしょう。

ただ、私立大学医学部に限ると、大学によって浪人率が大きく異なるのが特徴です。現役生の方が多い大学もあれば、浪人生の方が圧倒的多数というところもあります。

たとえば、2022年の獨協医科大学は現役生よりも浪人生の方が多く、浪人率は約70%弱にも上ります。久留米大学も浪人生の多い大学で、2022年の浪人率は約83%とかなり高い水準です。これらの数字を見ると、これらの大学を志望する現役生は「現役では難しいのか?」と不安になってしまうのではないでしょうか。

しかし、浪人率の高さと合格の難易度に直接的な相関関係はありません。浪人率が高い大学とは、そもそも浪人生の受験者が高く、現役生の割合が低めです。逆に、浪人率の低い大学は、現役生が多く受験するために浪人率が低くなると見ることができます。

たとえば、浪人率の低い私立医大として東京慈恵会医科大学が挙げられます。浪人率は50%強と、国公立・私立大学すべての医学部浪人平均よりも低めです。また、慶應義塾大学や昭和大学の医学部も浪人率は例年低い傾向を示しています。

これらの大学は都心にあるため、進学校に通っている多くの現役生が受けるという特徴があります。進学校の現役の受験者が増えれば増えるほど浪人率は低くなる傾向にあるのかもしれません。

2.国立医大の浪人率は?

国公立大学医学部の浪人率についても、学校ごとの差は大きいです。ただ、私立大学と比べると、全般的に現役生の割合は高いといえます。特に現役生が多くを占めるのは、旧帝大などの難関大学です。たとえば東京大学医学部では、年によっては現役生が入学者の80%近くを占めることがあります。

一方、地方国公立大学のなかには浪人率が比較的高い大学も少なくありません。たとえば琉球大学や長崎大学では、浪人率が50%を超えています。とはいえ、全国平均では現役生と浪人生の比率が1:2ですから、国公立大学の浪人率は私立大学に比べると低いと言えるでしょう。

3.医学部受験で浪人生は珍しくない?

上で見た浪人率からもわかるように、医学部合格者の多くを浪人生が占めています。医学部は他学部より難易度が高いため、現役合格が難しいのが理由です。それゆえ、最初から浪人するつもりで受験計画を立てる受験生もいます。

もちろん医学部以外の学部にも浪人生はいますが、医学部と比べるとかなり少ないです。医学部は、国公立大学と私立大学を合わせると浪人率が60~65%になり、他学部の3倍に上るともいわれています。

また、医学部の場合、2浪、3浪と多浪してでも合格を目指す人が少なくありません。先に挙げた60~65%という浪人率は、医学部合格者中の全浪人生の割合です。2浪以上の多浪生をすべて含んでいます。実際、2浪以上の多浪生に限っても、全国の医学部合格者の25%前後を占めるほどです。他学部で2浪以上の学生はごくわずかですから、医学部で浪人生は珍しくないと言われる理由がよくわかります。それどころか、浪人生の方が多いと言ってもよいぐらいです。

4.浪人生活を無駄にしないために知っておきたいこと3選

浪人生には、去年度に学習した知識や、多くの時間、学習したい環境での学習など現役生よりも多くのアドバンテージがあります。しかし、多浪してしまう生徒はその多くのアドバンテージを有効活用できていないことが多いです。

そこで、合格に繋がる浪人生活のポイントを3つご紹介します。

4-1.まずはすべての基礎範囲を網羅しよう

浪人した生徒には、本試験で解けなかった問題が必ずあると思います。しかし、それだけを苦手科目であると考えてはいませんか?

数学、英語、理科、すべての理系科目に言えることですが、医学部に合格するためのポイントは『すべて基礎知識は連動している』ということを忘れずに学習することです。

要するに、教科書の基礎的な内容はすべて完璧に解答できないといけないということです。

例えば、数学でベクトルの問題が出題されたとき、問題を解く前にベクトルの合成、内積、外積などのベクトルのルールが頭に浮かばないと問題を解くことができません。そして、この技術は発想力でもなんでもなく、解法のルールを覚えているか、普段からそのルールを利用しているかによって身につきます。

このように、解法が思いつくためには基礎を繰り返すことが大切なのです。ですので、浪人が決まった春からは本試験や過去問で解けなかった問題を復習する前に、全ての学習範囲を学習することを最優先事項に学習しましょう。

4-2. 学習時間を設定しよう

科目ごとで学習時間をあらかじめ設定することは医学部合格においてとても大切です。それは、勉強中に迷いをなくし、効率よく適切な時間で学習することができるからです。

いきなりですが、勉強のやる気をなくす大きな要因は何だと思いますか? それは、「始める前にかかる脳へのコスト」です。

例えば、朝起きてすぐに数学の超難問を解くことを想像してください。なかなか面倒くさそうですよね。このように、自分の頭の中で面倒くさいと考えると次の行動を起こしにくくなります。

勉強中も同様に、科目を切り替える際には「今から何時間やろうか」「どの科目をやろうか」「どの分野に何分かけようか」など脳にたくさんの負荷がかかってしまいます。そうすると、勉強へのモチベーションが低下してしまい学習効率をさげてしまいます。

しかしあらかじめ勉強を始める前にやることが決まっていると、科目を切り替えるときに無駄なことを考える必要がなくなるのです。そうすると、勉強へのモチベーションを下げえることなく学習を続けられるのです。

特に、受験に必要な科目の多い医学部ではとても重要な考え方になりますので参考にしてみてください。

4-3. 勉強は一人でやらないこと

教科書があれば一人でも勉強ができるそう思っていませんか? 医学部受験においては大きな間違えです。

医学部受験には一人では越えられないたくさんの壁があります。勉強のストレスを始め、勉強方法の確立、学習ペース管理、志望校選び、情報不足など、自分一人では解決に時間がかかってしまうことが多いのです。

しかし予備校に通うと、塾講師の意見や、友達からの励ましの言葉などをもらうことができるのです。また、特に医学部専門予備校に通うと、現役の医学部生の意見や、医学部を目指す生徒の情報などをもらえ、自分自身の受験に対する視野を広げることができるのです。それによってモチベーションを維持することや、新たな目標を設定することにもつながります。

浪人を決めるのならぜひ参考にしてみてください。

5.まとめ

医学部は浪人率が特に高い学部です。大学によって現役生と浪人生の割合は大きく違いますが、浪人生は珍しくないということははっきり言えるでしょう。とはいえ、浪人するとしても、誰しも最短期間での合格を目指しているはずです。自由な時間が多い浪人生だからといって、うっかりしているとあっという間に時間は過ぎてしまいます。時間管理の大切さを胸に、計画に従って勉強を進めていきましょう。

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