2024.10.24更新日

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私立医学部の御三家ってどこ?新御三家もあわせて紹介

進学を考えている受験生は、様々な大学について調べることでしょう。名の知れた大学や偏差値の高い難関大学などは中学生のころから知っていたかもしれません。もしかすると、小学生や中学生のころから目標にしている大学があった人もいるかもしれません。

いざ進路を真剣に考え始めた時に、今までに聞いたことのない大学の名前を耳にした人もいるかもしれません。実は、そうした大学は自分にとってあまり縁がなかっただけで、その界隈ではとても有名な学校だということも珍しいことではありません。いずれにせよ、進学したいと思う学部や方向性が決まってきたら、どの大学を狙うかも決めていく必要があります。進学したいと思う大学や学部に関する調査も、受験対策の大切な一部です。

医学部への進学を希望している受験生なら、「私立大学医学部の御三家」という言葉を一度は耳にすることでしょう。では、私立大学医学部の御三家とはどの大学のことを指すのでしょうか。また、医学部への進学を希望する受験生にとって、御三家以外に人気のある大学はどこなのでしょうか。

こうした基本的な情報をひとつずつ把握しておくことは、受験を有利に進めていく上で大切なことです。どの大学を目指すかによって、対策も異なれば、アプローチも変わってきます。なるべく早く目標を定めておくほうが、時間を有効に使うことができるでしょう。特に試験が難しい医学部を狙うのであれば、なおのこと早めに決めたほうが有利になります。本記事では各私立医学部をご紹介。進路を決める際に参考にしてください。

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1.私立医学部の御三家とは?

私立大学医学部の御三家とは、「慶應義塾大学」「東京慈恵会医科大学」「日本医科大学」の3つの大学のことです。これら3つの大学はこれまで数々の優秀な医師や医療関係者を輩出してきた歴史があり、医学界では由緒ある有名な大学と言えます。そのため、敬意を込めて「御三家」という名称で知られるようになりました。

私立大学の医学部御三家に数えられる大学それぞれの特徴を知っておくことは、受験においても役に立ちます。試験の対策を立てることもそうですが、面接などの際にも、学校についてよく知っていることが武器になるからです。また、絶対にその大学に合格したいという強いモチベーションを持つことは、長く厳しい受験期間を乗り越えるうえで重要です。このように受験合格のためにも、私立大学医学部の御三家についてよく調べておくことが大切だとわかります。では、これら3つの大学それぞれにはどのような特徴があるのでしょうか。

1-1.慶應義塾大学(大学概要や偏差値など)

まずは「慶応義塾大学」についてです。慶応義塾大学は神奈川県横浜市北区日吉と東京都新宿区信濃町にそれぞれキャンパスを持ち、1年生の時には日吉キャンパスで、2年生以降は病院の横にある信濃町キャンパスで勉強します。

慶応義塾大学は、医学部以外にも様々な学部を持つ総合大学です。江戸時代後期に「慶應義塾」という名前、福沢諭吉によって開校した歴史ある学校です。
慶応義塾大学医学部の大手予備校の偏差値は70以上で、私立大学の医学部の中ではトップクラスです。難関国公立医学部とも引けを取らない高い偏差値で、試験はもちろん超難関です。医師国家試験の合格率も非常に高く、名実ともに最高峰の私立大学医学部と言えます。

慶応義塾大学医学部の特徴は、「メディカル・プロフェッショナリズム」と呼ばれるカリキュラムがあることです。このメディカル・プロフェッショナリズムとは、医学部で学ぶ6年間のカリキュラムに一貫性を持たせ、医療に関わる様々な分野を並行して学習していけるように考えられているカリキュラムです。慶応義塾大学のホームページでは、臨床能力に加えて、コミュニケーションスキルや法律面での理解力を培うこと、それらを人間性や利他主義の精神で支えることを意図していると説明されています。

長い歴史を持ち、医療面での多くの実績を持っていることから、他の大学に比べて医療に関する幅広いネットワークを持っていることも慶応義塾大学の特徴の一つです。そうしたネットワークは国内に限ったことではないので、留学および海外の医療関係機関と連動して学びたい受験生に人気がある医学部です。論文検索をするうえでも海外の最先端の研究論文を読めることは、医学の道に進む者にとって大きなアドバンテージになります。

1-2.東京慈恵会医科大学(大学概要や偏差値など)

私立大学医学部の御三家のうち、2つ目の大学は「東京慈恵会医科大学」です。東京慈恵会医科大学は、東京都調布市国領、東京都港区西新橋、千葉県柏市にキャンパスがあります。1年生の時には国領キャンパスで、そして2年生以降は西新橋キャンパスで勉強します。柏キャンパスは医学研究棟と看護棟があり医学部の生徒が使う機会はあまりないでしょう。東京慈恵会医科大学は単科大学で、医学部には医学科と看護学科があります。東京慈恵会医科大学の前身は1881年に創立した成医会講習所で、医学校、医学専門学校を経て、医科大学となりました。

東京慈恵会医科大学の大手予備校の偏差値は70以上で、御三家の名に恥じない、トップレベルの医学部です。東京慈恵会医科大学は医学に特化した単科大学で、医師国家試験の合格率がとても高いことで有名です。新卒の医師国家試験の合格率が100%だった年もあります。まさに医師を育てるスペシャリストと言えるでしょう。

東京慈恵会医科大学の特徴は、臨床に重点を置いている点です。もちろん授業でもたくさんのことを学びますが、東京慈恵会医科大学では附属病院での臨床実習に力を入れています。臨床実習で様々なことに接し、経験できる実践型のカリキュラムは、東京慈恵会医科大学の大きな特徴です。また、学生が気になった点をすぐに確認できる校風で、教授と学生の距離が近いことも、東京慈恵会医科大学の特徴の一つとなっています。

また、研究医を育成するMD-PhDコースがあることも特徴の一つで研究医の育成に力を入れている大学であることが分かります。縦のつながりや国際交流を大切にする校風から、研究医の育成環境は十分にそろっている大学であるともいえるでしょう。

なお、東京慈恵会医科大学では医師としての知識や能力だけでなく、人間性の向上にも力を入れています。現在、全ての私立医学部において面接試験が設けられていますが、東京慈恵会医科大学でも例外ではありません。コミュニケーションスキルを持ち、高い倫理観や道徳観を持って患者と接することのできる医師の育成を教育方針としています。

1-3.日本医科大学(大学概要や偏差値など)

最後に紹介する私立大学医学部御三家は、「日本医科大学」です。日本医科大学の所在地は東京都文京区千駄木です。日本医科大学の前身は「済生学舎」と呼ばれる私立学校で、その創設は1876年になります。その後、1952年に現在の日本医科大学になりますが、前身から計算すると、145年以上の歴史を持つ医科大学であることが分かります。日本医科大学は、日本国内で最も長い歴史を持つ私立医学部です。

日本医科大学の大手予備校の偏差値は70ほどで、こちらも御三家の名に恥じない難関大学の一つと言えます。日本医科大学も医師国家試験の合格率がかなり高いことで知られており、新卒の合格率95%を超えていて、この点でも私立大学の医学部の中ではトップクラスであると言えます。

日本医科大学は、倍率がとても高い大学の一つです。これは医師国家試験の合格率が高いことも一つの理由ですが、この大学の持つカリキュラムに魅力を感じる受験生が多いことが主な理由と言えるでしょう。日本医科大学は未来型医学教育と呼ばれる教育方針を持っており、これからの医療を支えていく若い人たちに馴染みやすいカリキュラム構成になっています。例えば、ウェブサイトで資料を事前に閲覧できるようにしたり、授業の様子を動画で公開したりするeラーニング学習支援システムがあります。インターネットや動画視聴は慣れているIT世代にとって、日本医科大学のカリキュラムは若い人たちに人気があります。

臨床実習が多いことも、日本医科大学の特徴の一つです。医科大学なので専門性の高い勉強ができること、臨床実習が多いこと、デジタル化が進んだカリキュラムであることは、学生がモチベーションを高く保つのに役立ちます。自分のペースで学習したい人や専門性の高い勉強をしたい人に向いている医学部と言えるかもしれません。

2.医学部の新御三家とは?

私立大学医学部の御三家は慶応義塾大学、東京慈恵会医科大学、そして日本医科大学の3つですが、最近では日本医科大学に代わって「順天堂大学」を含めた3大学を「私立大学医学部の新御三家」と呼ぶことがあります。

順天堂大学は東京都文京区本郷にあります。順天堂大学の大手予備校の偏差値は70くらいと、私立大学としては全国の中でもトップレベルの偏差値です。また、医師国家試験の合格率も極めて高く、新御三家の名に恥じない非常にハイレベルな医学部であると言えます。2008年には学費の大幅な値下げが行われたこともあり、私立大学の医学部の中では受験生が多くて、とても人気のある大学の一つです。

順天堂大学の特徴は、「基礎医学研究医養成プログラム」と呼ばれるカリキュラムを持っていることです。この医学研究の養成プログラムは医学に関する研究に1年生の時から携わることができるのが大きな特徴で、医学研究に興味のある受験生に人気があります。特に研究したい分野やテーマが決まっている人は、入学した時からすぐにそうした専門分野の研究ができるので、研究したいテーマが明確な人におすすめできる医学部と言えるかもしれません。

いずれにせよ、医学部御三家の慶応義塾大学と東京慈恵会医科大学と日本医科大学、そして新御三家の順天堂大学は、私立大学の医学部の中では偏差値も高く、医師国家試験の合格率も高い、毎年多くの人が受験する人気の難関大学です。

3.まとめ

「慶応義塾大学」「東京慈恵会医科大学」「日本医科大学」の3大学からなる私立御三家と「順天堂大学」を加えた新御三家。それぞれの大学が偏差値70前後と医学部でもトップクラスのレベルを誇ります。そして国際交流に力を入れる大学や、臨床に力を入れる大学など、それぞれの大学にも校風が違います。

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