2024.10.23更新日

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医学部に編入って難しい?知っトク情報を紹介!

高校卒業後の進路で医学部を目指さなかった人でも、後から医師への思いが強くなることがあります。医学部の「編入制度」とは、そのようなあとから医師を志す人を取りこぼさないための制度です。医学部以外の学部を卒業した人、もしくは、卒業する見込みのある人であれば、選考試験にパスすることで年次の途中から医学部に編入できるようになっています。

そんな魅力たくさんの「編入制度」ですが、一番気になるのはやはり入試難易度ではないでしょうか。医学部編入のメリットやデメリットも含め、「編入制度」の概要や入試科目をチェックしていきましょう。

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1.医学部編入制度とは?

医学部編入の基本は、四年制大学の卒業者や卒業見込みのある人を対象とした学士編入です。年齢制限はありません。

なお、国公立大学・私立大学いずれも編入は可能ですが、医学部で編入制度を導入しているのは大半が国公立大学となっています。私立大学にも制度を採用しているところはありますが、国公立大学と比べると少数です。また、大学によって編入の時期が異なります。多くの大学が2年次の前期から編入させる方針を採っていますが、一部の大学では3年次の前期から編入可能です。

国公立大学医学部の場合、編入試験の出願は通常4~7月、試験は8~9月というスケジュールです。合格発表は一般的に9月中に行われます。私立大学は国公立よりも時期が遅く、出願時期が12~1月、試験が1~2月、合格発表は年内という大学が大半です。もちろん大学ごとに具体的な日程は違うため、編入を検討しているなら必ず志望校の日程を事前にチェックしておいてください。

2.試験について

医学部編入試験では、基本的に一次試験として筆記試験を、二次試験として面接試験を実施するところが多いです。面接とは別に小論文試験を課す大学もありますので注意しましょう。筆記試験の内容は、英語、生命科学、自然科学、および、物理、化学、数学の理系科目が中心となり出題されています。高校では学習しない科目があるため一般受験対策とは別の対策を早めにすることが必須です。

医学部編入の難易度については、応募人数が少ないため倍率が高くなることが考えられます。編入試験に自信がない方は一般入試と併願することも可能です。もちろん一般入試で入学する場合、他の新入生と同じく1年次からスタートすることになりますが、どんな形でも医学部に入りたいと願う人は併願すると合格確率も上がるでしょう。ただし、編入試験と一般入試では、試験科目も違いますし、出題範囲も異なります。まったく別の対策が必要なので、どちらにも同じぐらい力を入れて対策するのは困難であることは念頭に置きましょう。

3.医学部編入のメリットは?

3-1.在学年数を短縮できる

医学部編入のメリットは多数ありますが、1年次からスタートしなくてよいのが特に大きなメリットではないでしょうか。2年次、もしくは3年次の前期から編入するため、1~2年次の教養課程の講義を受ける必要がありません。

医学部で1年次からスタートしなくてはならないとなると、卒業までに最低6年間はかかります。年齢的に社会人から医師を目指す人の中には、早く卒業したいと思う人も少なくないでしょう。一般入試なら1年次から6年かけて卒業を目指すことになりますが、編入ならもっと短期間で医師になることが可能です。

また、医学部に通う期間が短くなるということは、その分、学費がかからないことを意味します。国公立大学医学部の一年分の学費も高いですが、私立大学となるとさらに高額で、1年の違いによって生じる費用が大きく異なります。このように学費の面でも、編入は一般入試での入学よりもメリットがあると言えます。

3-2. 少ない科目数で受験が可能

入試で課される科目数が少ないことも、編入のメリットです。

編入試験の内容は、英語と生命科学、および、理系科目からなります。一方、一般入試選では、大学入学共通テスト対策で5教科7科目の学習、志望校の個別試験対策で志望校ごとの過去問演習が必要になるため、受験科目の多さで受験生を苦しめます。

もちろん編入試験の難易度も低くはありませんし、それ相応の対策が必要ですが、科目が少ない分、力を注ぐポイントが絞られると言うことは可能です。

また、英語と生命科学が主要科目になるため、理系学部の受験生だけでなく文系学部の受験生でも医学部を目指しやすいというメリットもあります。

もちろん文系でも受験しやすいとなると、その分、志望者が多くなることは避けられません。それだけ競争倍率が高くなるわけですから、文系受験生が受験しやすいことがそのまま医学部に入りやすいことを意味するわけではないことに注意しましょう。逆に、理系受験生は数学、物理のような理系科目のみの受験校を選択すると文系受験生との競争が減り合格の可能性が上がるでしょう。

3-3. 国公立大学でも併願できる

国公立医学部でもたくさんの大学に併願できることも学士編入のメリットです。一般入試の場合、国公立大学では試験日程が各校同じなので、受験できるのは前期に1校、後期に1校ずつのみになります。ところが、編入試験の日程は国公立大学でも各校違いますので、問題なく複数の大学に併願することができます。

もちろん大学ごとに選考内容は異なるので、複数の医学部を併願できるといっても、対策は受験科目に合わせて個別に行う必要があります。しかし、一般入試より多くの受験チャンスがありますから、やはりメリットには違いないでしょう。

4.医学部編入のデメリットは?

4-1. 合格枠が少ない

医学部編入の最大のデメリットは、合格枠が少ないことです。一般入試なら、大学によっては100人以上の新入生を受け入れる医学部があります。一方、編入試験で入れる人はごく少数です。定員の多い医学部で数名、少ないと1~2名ですから、そのわずかな席を巡って多くの編入希望者が競うのはなかなかハードでしょう。

実際、医学部編入を目指して何年もチャレンジし続けている人も少なくありません。1回目で合格できることは稀です。何年かかっても合格できず、結局、挫折してしまう人もいます。

4-2. 履修期間が短い

履修期間が短いことはメリットのようにも聞こえますが、デメリットにもなり得ます。編入は2年次や3年次から編入になるため、同級生よりも短い期間で卒業を目指します。教養課程はすでに修了済みだとしても、限られた期間に必要な講義をすべて履修しようと思うと、多忙を極めるのは想像に難くありません。

なかには留年してしまう学生もいますが、医学部の場合、2年連続の留年が即除籍につながる厳しいところもあります。一般入試で入学しても努力が必要ですが、編入の場合、それ以上に入学後の努力が必要になるでしょう。

4-3. 人間関係の問題

編入には人間関係の問題も存在します。途中の年次から編入するということは、周りは皆知り合いという環境に飛び込むことを意味します。このことは勉強するだけならデメリットではありませんが、医学部の場合は情報を得られないことで様々な問題が生じるのです。例えば、休まざるを得なかった講義の情報を得ることや、定期テストの過去問集め、実習の持ち物など、自分一人ではどうしても大変なことがあります。知り合いが少ないことでこれらの情報を逃し、単位を落とすということのないよう人間関係の構築は大切なのです。

5.医学部編入試験の対策

医学部編入試験の科目は、多くの大学で英語、生命科学、および、物理、化学、数学などの理系科目となっています。ただ、編入試験では、一般入試と同じ内容が問われないことに注意が必要です。

一般入試の場合、高校までに学習してきたことを問う内容でしたが、編入試験では大学の教養過程を踏まえた内容が出題されます。また、小論文や面接の比重が大きい大学もあるので、編入を目指す大学の募集要項をしっかりチェックしておきましょう。

編入試験で出題される生命科学について少しお伝えしておくと、これは、高校までの生物の内容に加え、生理学、生化学、分子生物学の分野をカバーする内容です。医学部の講義内容の大半がこの科目をベースにして行われるため、編入試験でも生命科学はしっかり解答できるようにしておく必要があります。といっても、専門的なことは大学で学ぶため、編入試験で問われるのは基礎の部分です。初学者でもしっかり対策すれば問題はないでしょう。

英語についても少し触れておくならば、一般入試より専門的な語彙が頻出することが考えられます。長文問題も医学系、生命科学系の内容であることが多いため、ふだんからこの分野の英語論文をよく読む人には有利でしょう。そうでない人は、医学系や生命科学系の語彙をある程度は身につけておくべきです。

6.医学部編入の難易度は?

医学部編入は難易度が高いと言われています。ただ、それは高度な内容の試験が課されるからというより、そもそもの倍率が高いことが大きな要因です。

医学部の編入試験では、倍率の低い大学でも10倍、倍率の高い大学では40倍を超えることもあります。この倍率は決して入学が簡単といえる倍率ではなく、合格には困難を極めるといえるでしょう。

7.まとめ

医学部に学士編入すると2年次や3年次からスタートできるため、通常よりも短い期間で医師を目指せます。基本は四年制大学の卒業者、および、卒業見込みの人が対象で、年齢に制限はありません。編入試験の倍率は高く、編入後の勉強もたいへんですが、最短距離で医師を目指せて学費の節約になるなどの魅力も多数あります。ぜひ参考にして夢をつかみましょう。

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