医学部入試の面接で評価を下げる人の特徴は?面接対策も含めて解説
医学部入試ではすべての大学が面接を行っています。それだけ面接は医学部受験で重要な過程なのです。せっかく一生懸命努力して学力テストで高得点を取ったのに、面接で落とされてしまうことがないように、事前にしっかりと対策をしたいものです。そこで、どんな人が面接で評価を下げてしまうのか、不合格につながりやすいのか、良い印象を与えるために何ができるかを押さえておきましょう。
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1.面接で評価を下げる人、落ちてしまう人の特徴 4選
面接で落とされてしまう人にはいくつかの共通点があります。逆に言うと、こうした点を避けることで、面接を乗り切ることができるわけです。以下で説明する4つのポイントを中心に面接対策をしてください。
1-1.会話が成り立たない
医学部入試の面接の多くでは、担当官が質問を投げかけて、それに受験生が答えていくという、会話形式が取られます。この会話を通して、本人の資質と共に、コミュニケーション能力を判断することになります。面接で落ちてしまう人は、会話の内容ではなく、会話自体が成り立たないことが多いです。
たとえば、「医師にどうしてなりたいのか」と質問しているのに、質問と関係のない話をしたり、答えになっていない応答をしたりというケースがあります。また、質問への答えが極端に短く、普通の会話にすらならないというケースも、コミュニケーション能力が低いと判断されてしまいます。もし、医療現場で患者やスタッフとコミュニケーションは取れないと医療ミスに直結します。そのため、入試においては会話ができるかどうかが試されるのです。
また、質問についての理解力についても大切です。大学の授業でも、卒業後でも、医学部は勉強し続けなければなりません。そのため、話を理解する能力は必要になります。ですから、質問に答えるときは相手の質問の主題を考えてから答えるようにしましょう。また、うまく面接で聞き取れなかったとしても、愛想笑いなどでごまかさず、しっかり質問を聞きなおしてから答えることが大切です。面接で理解力が低い人物だと勘違いされないようにアピールしましょう。
1-2.志望動機が曖昧
面接では、どうして医師になりたいのか、どうしてその大学を選んだのかという志望動機を聞かれます。その時に、本当に医師になりたいのかと疑われてしまうような回答をすると、印象はかなり下がってしまいます。医師になるためには勉強も実習もハードで、実際に医師として働いてもプレッシャーのかかる場面が多いです。医師として働く動機がしっかりしていないと、医学の道を進み続けることが難しいため面接の時点で動機をしっかり確認するのです。
志望動機が曖昧な回答としては、「親が医師なので」とか「医師は社会的地位が高いので」といったものがあります。こうした動機は、医師という生き方そのものについて軽く見ていると判断されるだけです。本当の動機は何であれ、医師を志すにふさわしい動機を自分の中に用意しておくことは面接で重要になります。
1-3.高校の欠席日数が多い
面接は単に受験生とのやり取りをするだけでなく、その人の情報を精査することも目的のひとつです。特に、高校在学時の出席日数は注目される可能性があります。明確なルールはありませんが、年間で10日以上の欠席日数は明らかに多いと判断されます。面接官が納得できるような欠席理由がない場合は面接で落とされてしまうこともあります。
というのも、大学の講義は一定日数以上出席しないと、出席日数の不足はもとより、学業不振で留年してしまうからです。医学部は必修科目が多く、実習も含めると、毎日忙しい授業予定が組まれます。そのため、欠席が多くなると、単位を落とすリスクが高くなります。大学としては、やはり留年などせずに、ストレートに卒業し、医師として活躍してほしいと思っていますので、能力とは別に、確実に卒業してくれる生徒を集めたいのです。
もちろん、高校時の欠席について、明確で納得できる理由がある場合は考慮されます。たとえば、在学中に交通事故に遭って休まざるを得なかったとか、留学のため在籍していた高校の出席日数が少なく登録されているといったケースです。どちらにしても、面接担当官が出席日数を見て問題があると思ったら、面接で直接理由を聞いてくることが多いので、それに対して明確な理由を答えられることが重要です。医学部に入学したらしっかりと大学に通って卒業するだろう、と納得できるような答えを出せるようにしておきましょう。
1-4.倫理観が欠けている
医師は、人の健康と命を預かる大事な職業です。取り扱いを誤ると生命に危険を及ぼしたり、犯罪に至ったりするような医薬品を扱うこともあります。そのため、学力があれば良いというわけではなく、倫理的にもしっかりしている人かどうかを面接で見ます。
明らかに法律や人の尊厳、マナーを軽視するような発言をすると、医師にふさわしい人間性を持っていないと判断されてしまうでしょう。高校時代のエピソードを語るよう求められた時などに、突飛な経験や行動について話すのも危険です。
他にも気を付けなければならないのが、他の職業を軽んじるような比較をすることです。医師になりたいという熱意を示すのは大事ですが、仕事自体に優劣をつけるような発言をすると、倫理観に問題ありと判断される理由となります。確かに医師は高い能力や技能が求められる仕事ではありますが、他の職業を蔑むような人は様々な問題を引き起こすリスクがあり、資質を疑われてしまいます。
2.医学部入試の面接で落ちないポイントとは?
面接を合格するためには、減点を減らす方法と、加点を増やす方法をしっかり理解する必要があります。大学が求める人材であることをアピールできるように以下で紹介するポイントをしっかり押さえましょう。
2-1.最低限面接のマナーは守る
面接のマナーとして、ドアのある部屋に入るのであればノックをする、入室したら挨拶を丁寧にする、相手の目を見てハキハキと答えるといった当たり前のマナーから意識してください。
また、嘘をつかずに、なるべく正直に答えることも重要です。面接だと自分のことを良く見せたいという思いから、ついつい無理して話を盛ってしまうことがあるかもしれません。知らないことを、知った風にふるまってしまうこともあり得ます。しかし、面接官は多くの学生を見てきていますので、その矛盾を察知して、細かく詰めてくることがあります。そうなると、結果はさらに悪いものとなってしまいます。分からないことは正直に分からないと答えて、勉強して知識を増やしていきたいと伝える方が、印象が良くなるのです。
また、服装はきれいに整えておきましょう。洋服はアイロンをかけておき、靴も汚れがないように磨きます。髪型も整えて、さわやかな印象を与えるようにします。爪も短く切って、汚い印象を与えないように気を付けましょう。当たり前ですが、面接は友人や知人と話をするわけではありません。自分の一生を左右する機会に臨む服装であるべきです。
振る舞いも大事なポイントで、椅子に座る時にはだらしなく座るのではなく、背筋を伸ばして姿勢よくします。お辞儀をする時には、首から頭を下げるだけでなく、腰から上体を倒して、美しく敬意のこもったお辞儀となるようにしましょう。
ちょっとした表現にも注意したいものです。日常会話では、自分の親のことを「お父さん」とか「お母さん」と言っているかもしれませんが、面接の時には「父・母」と呼ぶようにすることや、自分のことを「オレ」と言わずに、「私」と言うように気をつけることも大切になります。これから社会的に影響力のある職業を目指すわけですから、対外的な表現も身につけておかないといけません。
こうした面接のマナーは私生活だけではなかなか身に付きません。学校の先生や、予備校の講師などに模擬面接をお願いして、自分のふるまいが面接でふさわしいのかを客観的に判断してもらい受験対策をしましょう。
2-2.医学部面接でよく聞かれる質問の回答を用意する
答えの丸暗記はよくありませんが、よく聞かれる質問がありますので、あらかじめ答えを準備して何を言うかを決めておくと、緊張していてもスムーズに答えられます。よくある質問としては、次のようなものがあります。
・どうして医師になりたいのか?
・どうしてこの大学を志望したのか?
・理想の医師のイメージとは?
・将来どんな分野で働きたいのか?
・自分の長所と短所
・高校や中学時代の思い出に残っていること
・浪人や再受験者であればその理由
・大学に入ったらやりたいことは?
こうした質問はよくなされるので、決まりきった回答になりがちです。そのため、自分の心にある気持ちを織り交ぜたり、経験やエピソードを加えたりして、自分だけの回答になるよう、準備するのがポイントです。そして、答えを話す時には棒読みにならず、抑揚をつけて自然に話せるように練習するのも大事です。
いずれにしても、どの回答もポジティブな内容にするといいでしょう。特に自分の短所や浪人となった理由などを説明する場合、しっかりと現実的な点を伝えるのは大事ですが、あまりにネガティブな回答をすると、印象が悪くなってしまいます。
2-3.志望大学に関する医療知識やニュースを確認する
志望大学についての情報は前もってリサーチしておきましょう。その大学が得意としている医療分野や実績、有名な研究や教授、大学が求めている人物像などをチェックし、頭に入れておきます。こうした情報はホームページでも見られますので、情報を入れて、それに合わせた回答を述べることで、面接官の心をつかみやすくなります。
また、最近その大学についてのニュースがあったら、それも確認しておくと良いです。研究実績や取り組む分野、導入した設備などについてのニュースであれば、そのことに触れて、大学の志望動機の説明に加えることもできるでしょう。
3.まとめ
医学部の受験ではどこの大学でも面接を行っていますので、学力テストと同様に、事前の対策をしなければなりません。良い答えを出せることだけでなく、コミュニケーション能力や人間性なども見られますので、日頃の振る舞いを意識すると共に、予行演習を重ねることも重要です。学力向上だけに目を留めず、こうした対策もしっかりと行い、医学部合格を目指しましょう。
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